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※「千葉県宅地建物取引業協会 研修会テキスト」 から抜粋したものです。
不動産j購入前の事前確認、紛争事例
市街化調整区域内の農地付住宅の売買

市街化調整区域内の農地付住宅の売買


農地付住宅若しくは敷地の一部に農地を含む住宅の農地部分を農地法の許可が取得できないため、条件付所有権移転仮登記によって行う売買契約を行い、媒介業者は農地部分を含む媒介報酬を受領したが、買主が住み始めたところ市から買主には開発許可はなされていないので本来居住できないものであるとの指摘を受けた。どのような法的問題があるか。

【解説】
  1. 市街化調整区域内の農家住宅の売買を仲介してよいか
    そもそも農家住宅を第三者に売却する媒介を行ってよいのかが問題となります。
    農家住宅の開発許可は、都市計画法第29条第2号に基づく場合と都市計画法第34条10号ロに基づく場合がありますが、いずれの場合も開発行為の許可は、申請人本人のものであり、当該建築物は第三者が使用したり他の用途に変更することはできず、この制限に反した場合、都市計画法違反となり、都市計画法第81条に基づく監督処分の対象となるからです。また、都市計画法第29条第2号の農家住宅として建築確認をとって、これを他人に譲渡し、都市計画法第29条第2号以外の建築物とすることは、同法第43条第1項本文の用途変更にあたり、同条の制限に違反となる結果、同法第81条の監督処分のほか、第92条第6号の罰則(50万円以下の罰金)の適用があります(なお、この事案の開発行為許可通知書の欄外の上部には、「農家分家のための本件開発行為の許可は、農家分家をする申請人本人のものであり、当該建築物は第三者が使用したり他の用途に変更することはできず、この制限に反した場合、都市計画法違反となり、都市計画法81条に基づく監督処分の対象となる」旨が明記されていました)。
    宅地業者は、「取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない。」(宅建業法31条)とされており、また、宅建業者が「業務に関し取引の公正を害する行為をしたとき、又は取引の公正を害するおそれが大であるとき。」「業務に関し他の法令に違反し、宅地建物取引業者として不適当であると認められるとき。」は、国土交通大臣又は都道府県知事は、当該宅地建物取引業者に対して、必要な指示をすることができるとしています(業法第65条)。このように明らかに違法な行為に加担することはそもそも宅建業法の許容しないところでありますから、かような仲介行為を行ってはならないと思料します。またそもそも仲介行為を行ってはいけないとすれば重要事項説明自体を問題とする余地はないのですが、同封書類の取引事例資料の重要事項説明書では市街化調整区域にチェックがあるだけで、再建築不可はわかりますがそれ以上の監督処分があることの説明はなく、また、売買契約書の特約や念書によっても監督処分のことは一切触れられていませんから重要事項説明としても不十分であります。
  2. 仮登記を本登記にする協力義務と時効
    農地の売主が、代金の支払いを受け、仮登記を経由して農地を引き渡している場合、売主の農地法第5条による知事に対する許可申請協力請求権についての消滅時効の援用が、権利の濫用に当たり許されないとされた事例もありますが(平成11年11月17日東京高裁判決、昭和51年5月25日最高裁第三小法廷判決、平成3年7月11日東京高裁判決、平成5年12月21日東京地裁判決)、消滅時効を認めたものもあり(昭和50年4月11日最高裁判決民集29.4.417、判時778.61)、買主の地位を不安定にする取引形態であることは留意が必要です。
  3. 媒介手数料の請求の可否
    媒介報酬請求権の要件の一つに売買契約の成立があります。停止条件付売買は売買が成立していても未だ効力が発生していない契約ですので、どのように考えるべきか問題があります。ちなみに、停止条件付売買の場合の報酬請求権の発生時期について正面から論じた判例等は見当たりませんでしたが、国交省の標準媒介契約では「乙の媒介によって目的物件の売買又は交換の契約が成立したときは、乙は、甲に対して、報酬を請求することができます。
    ただし、売買又は交換の契約が停止条件付契約として成立したときは、乙は、その条件が成就した場合のみ報酬を請求することができます。」とあるので、少なくとも監督官庁の国交省は、停止条件の成就した場合に報酬請求権が発生すると考えるのが妥当との見解を持っていることは間違いありません。
    ちなみに農地法の許可は停止条件ではなく効力発生条件(法定条件)とされています。効力発生条件ですから売買契約そのものの有効無効とは関係ありませんし、売買契約を締結することを禁止しているものでもありませんが、売買契約は成立したけれども、その効果が発生しないということからすれば報酬請求権については停止条件の場合と類似の関係にたつと考えてよいでしょう。
    なお、宅建業者が説明義務違反をしたため、転売や合意解除を余儀なくされた場合には報酬請求を認めなかった事例がありますが(東京地判昭和48年3月23日判夕295.279、東京地判昭和51年10月14日判時856.63、東京地判昭和57年2月22日判夕482.112)、本件でも都市計画法違反で監督処分に対象となるような瑕疵ある仲介ということであればそもそも報酬請求権が無いばかりか、当事者に損害が発生すれば損害賠償義務が発生することもあるでしょう。

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